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円安で株式市場は上昇となるか?

かつて「円安になると日経平均が上がる」という冗談をよく耳にしたが、それが「空耳」ではなく「経験則」であることを最近の事実が証明しているようだ。

(グラフ参照)ご覧のように、日本円指数と日経平均の相関は、2022年以降、プラスからマイナスに転じている。 つまり、円安になればなるほど株価が上昇しやすく、また、逆も然りとなっている。日本の株価と円指数の逆相関が強まるにつれ、4月は20年ぶりの円安となり、そして、株式市場はほぼ1カ月近く続伸となった。 では、為替レートはいつ底を打つのだろうか? 日本での買い物、留学、外貨投資を行うなら、今が安値で好機となるだろうか? 為替レートの下落は、本当に完全なる不況を意味するのだろうか?

第一に、確かに為替レートの水準は国の強さを反映する。この1年間、日本の経済不振の理由は、大きく分けて2つある。一つは、世界的な疫病の再流行による輸出の減少、ロシアとウクライナの紛争によるエネルギーや資源価格の高騰、輸入コストの増加である。もう一つは、FRB連邦準備理事会による利上げとテーパリングによる米ドル高である。これは日銀が依然として行なっている超緩和政策と相まって、円安のさらなる追い風となっている。したがって、日本円が底打ちする鍵は、金融政策の変更か、貿易収入の大幅な増加の2点にある。しかし、 いずれも短期的には達成不可能な目標である。

第二に、一般消費者や投資家にとって、日本円の為替レートはかなり長い間、円安で推移することになるだろう。このため、急いで日本円を「買い溜め」する必要はない。日本におけるインフレ期待は高まり続けており、日本円の急落は通常の慣行とはかけ離れているものの、政府や関連当局の介入に頼るだけでは、日本円の継続的な上昇を促進することは難しいだろう。株式市場では短期的にはマイナスの相関係数が続くが、「-0.2」の効果は限定的となろう。

最後に、もし円安が続く場合、それは本当に経済全体の後退を意味するのだろうか? 米国の最大の債権国である日本には、その背後に大きな利益が隠されている。円安が輸出を押し上げるのだ。ある意味、この債権はアメリカが世界に代わって日

本の製造業に提供するクレジット、ローン、さらには月々の支払いなのである。いつか将来、「メイド・イン・ジャパン」が「メイド・イン・チャイナ」の最大のライバルになったとき、この「茶番劇」の真相がわかるかもしれない。